お前と月と。
募る思い。
―安らぎの場所―
「…この俺に、隠し事?ふうん。」
あからさまに、冷たい態度。
少し寂しくなったのか、目を潤ませて、話し出す。
「私、ね…、本当は今年で高校生なの。」
同年代。まず、そのことに驚いたのだ。
架綾を、見た事は無い。
この辺の高校は、必ず同じ道を通る。
だから、必ず見た事があるはずなのだ。
そして、引っ掛かる言葉を思い出す。
"本当は"
「でも、ね?私、病気だから。生まれた時から心臓が悪くて…」
…頭が…
…真っ白になった…
"ビョウキ"?
架綾は、いつも苦しい思いをしてたのか?
「…あと、二年しか生きられないって言われたの。今日。」
"アト二年"
架綾は、苦しいのに、頑張っているんだ?
聞けば聞くほど、苦しくなる…。