俺様ヤンキーと平凡女子


「でもお姉ちゃん、夢ちゃんと会うんじゃないんでしょ?」

「まーね」


夢ちゃんは夢歌のこと。


春と夏は、夢歌に結構なついてる。多分…いや絶対、あたしより夢歌のことが好きだと思う。


「じゃあ、夢って今日暇なのか?」

「知らなーい。夢歌のことだから、暇なんじゃない?あっ!もしかしたら、橘藍兎と会ってるかもね」


あたしはそれを言ってから後悔した。



春は、夢歌のことが好きだったんだ。…普通に忘れてた。ごめんよ、春。



「姉ちゃん」

「何?」

「橘藍兎って誰?」

「クラスメイト。夢歌の従兄弟。…多分好きな人」

「ふぅん」


お願いだから。お願いだから、あたしを睨まないで…!

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