俺様ヤンキーと平凡女子
「前から来たかったんだよね〜」
「………」
あれ?反応無しは困るんだけど。ま、いっか。
先月オープンしたばっかりの遊園地。その名も『ファンタジーランド』。
その名の通り超ファンタジーな遊園地は、土曜日と言うこともあって、あたしと同じ世代の人がたくさんいる。
「みてみて!!超イケメンじゃない?」
「隣の子、彼女なのかな?」
ファンタジーランドに入場してから、何回もこんな言葉が聞こえてきて、何度も熱い視線を送られている咲本凪裟。
本人は気付いてない。てか、興味がないらしく、いつもの無表情であたしの手をがっちりと握ってる。