俺様ヤンキーと平凡女子


また今度、夢歌にはお仕置きをしないと…。


「(お姉ちゃんの背後に悪魔がいる)」


夏が心の中でそう呟いたことを、空は知らない。


「さ、早く作るよ。凪裟と春が待ってる」

「はーい。あたし、きゅうり切っとくね」


夏は冷蔵庫からきゅうりを取り出すと、慣れた手付きで切っていく。


将来、きっといい奥さんになるんだろうなぁ。


旦那さんは、どんな人なのかな。


なんか、夏のお母さんになった気分だよ。って言っても、お母さん代わりみたいなものなんだけどね。


「お姉ちゃん、沸騰してるよ」

「え?あぁっ!!…夏、ありがとう」

「いえいえ。お姉ちゃんがぼーっとしてるなんて、珍しいね。何考えてたの?」

「んー…、秘密」


「えー…。教えてよ〜」って言いながら、あたしにそうめんを手渡してくれた夏。


「また、教えてあげる。今は、そうめん作る!」


「ケチ」と言いながら、渋々作業に戻る夏。


春もお手伝いしてくれたらいいのに…。



< 165 / 203 >

この作品をシェア

pagetop