俺様ヤンキーと平凡女子
また今度、夢歌にはお仕置きをしないと…。
「(お姉ちゃんの背後に悪魔がいる)」
夏が心の中でそう呟いたことを、空は知らない。
「さ、早く作るよ。凪裟と春が待ってる」
「はーい。あたし、きゅうり切っとくね」
夏は冷蔵庫からきゅうりを取り出すと、慣れた手付きで切っていく。
将来、きっといい奥さんになるんだろうなぁ。
旦那さんは、どんな人なのかな。
なんか、夏のお母さんになった気分だよ。って言っても、お母さん代わりみたいなものなんだけどね。
「お姉ちゃん、沸騰してるよ」
「え?あぁっ!!…夏、ありがとう」
「いえいえ。お姉ちゃんがぼーっとしてるなんて、珍しいね。何考えてたの?」
「んー…、秘密」
「えー…。教えてよ〜」って言いながら、あたしにそうめんを手渡してくれた夏。
「また、教えてあげる。今は、そうめん作る!」
「ケチ」と言いながら、渋々作業に戻る夏。
春もお手伝いしてくれたらいいのに…。