俺様ヤンキーと平凡女子
咲本凪裟はと言うと、「すき焼き食いたいのか?」って、笑いながらあたしに聞いてきた。
「いや、そうじゃなくて…。凪裟のこと、」
「俺のことが何?」
わ、分かってるくせに…。
でも、言わなきゃダメだよね。
〝すき焼き〟じゃなくて…
「好き…。ってか、今日何回も言ってる気がする」
「ふっ。…そーだな」
咲本凪裟はあたしのベッドに腰掛け、「ほら」と言って自分の隣をポンポンと叩いた。
どーゆうこと?
「来いって」
そう言って咲本凪裟は、あたしの腕を引っ張った。
突然のことで、あたしはバランスを崩してしまって…咲本凪裟の膝の上に座ってしまった。
「ごめんっ」
あたしが立ち上がろうとすると、咲本凪裟が後ろからあたしを抱き締めてそれを阻止した。