俺様ヤンキーと平凡女子
「ちょ…、凪裟?」
「…ん?」
『…ん?』じゃないよ!
「こ、これは何のつもりかなぁ?」
「イチャイチャするつもり」
イチャイチャって…。ラブラブカップルが、人目を気にせずするあれ?
き、キスしたり、ハグしたり、あんなことやこんなことを…するあれ?
「そーら」
「な、何?」
咲本凪裟はあたしの名前を呼ぶと、より強くあたしを抱き締めた。
「………」
そして、何も話さなくなった。
「凪裟…?」
名前を呼んでも返事がない。
あたしの耳元では、寝息が聞こえてきた。
「ふふっ。寝ちゃったんだぁ」
恐れられてるあの咲本凪裟が、心地よく眠ってる。
あたしはそっと咲本凪裟の腕から抜け出して、咲本凪裟をベッドにゆっくりと倒した。
何かあたし、悪いことをしてる気分なんだけど…。
あたしもそのまま横になって、咲本凪裟の横で眠りについた。