myself
「聡、ごめんね」

目を覚ますと、頭にガツーンとした痛みが走った。

頭を押さえながら上木は起き上がった。

部屋には何本も缶ビールが転がっていた。

昨夜、家に帰ってきて飲まずにはいられず独りで酔いつぶれていた。

だからなのか久しぶりにマリアの夢を見た。

タバコを吸うと少し落ち着いた。

マリアが別れ際に言った言葉とあの時のシルエットが浮かぶ。

彼女の顔ははっきりとはわからない。

笑っていたのか怒っていたのか…。

もう三年前も前のことだから。

< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop