ツンデレ竜とお姫様
「ほんと、一生の不覚だよ」

「何が?」

「こんな男を好きになるなんて」

「ひでーな。さすがの俺も軽く傷つくよー」


眉を八の字に下げた姫川の首に両腕を回して、こちらに引き寄せる。


こんな顔も愛しいと思えるのだから、あたしも思った以上に重症らしい。


有無を言わせぬうちに、自分の唇で姫川の唇を塞いだ。


火を噴くように、熱く激しいキスをする。


姫は大人しくあたしにされるがまま。


そうやって、姫はあたしに従順になればいい。


キスをされながらあたしの背中に手を回したということは、もっと、ということなのだろう。


好きとは言えないから、代わりに激しいキスで伝えてやる。


あたしは姫が好きなのだ。


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