goldscull・不完全な完全犯罪Ⅲ
コマーシャルがやっと開けた。
息込んでいたから、物凄く長い時間に感じた。
「待ってました!!」
って思わず言ったら、叔父さんが口元に指を立てた。
それでもこれで真相を知ることが出来ると思い、俺は改めてテレビ画面と向かい合った。
亡くなった男性は、やはりエアーバンド・爆裂お遊戯のリーダーボンドー原っぱこと原田学だった。
昨日まで幼稚園児を彷彿するような刈り上げスタイルだった彼が何故スキンヘッドになったのか?
パネラーがその部分を盛んに論議していた。
そしてもう一つの事件との因果関係も話題に取り上げられようとしていた。
それは、やはりロックグループのボーカルの変死事件のことだった。
木暮敦士(こぐれあつし)。
介護ヘルパーとして勤務しながら、ロックグループに所属していた親友の兄貴は新曲発表のパフォーマンスのためにデパートにいた。
従業員用のエレベーターに乗っていたのは、楽屋として用意されたのが倉庫の一部だったから。
でも何故、出演時間でもないのに其処にいたのかは不明だと言った。
(――へー、みんな彼女へのプレゼント探しだって知らないんだ)
俺は少しだけ得意になっていた。
スキンヘッドの男性は事務所を出た後バスに乗った。
そのバスから降りる時事故が発生したらしい。
前側のドアの隙間に何かが引っ掛かり首を吊られた格好になったようだ。
俺はその時、彼の首に掛かっていたゴールドスカルを思い出した。
「あっ、もしかしたらあのチェーンが原因か?」
そう……
それが事件の真相だったのだ。
「瑞穂、何なんだ?」
「ゴ、ゴールド……」
俺はそう言いながら、あのゴールドスカルのあのペンダントヘッドの中の記憶を思い出して震えていた。
「だから……、ゴールドスカルのペンダントヘッドの付いたチェーンだよ」
それでも俺は力説した。
でも、叔父さんは首を傾げていた。
「きっとあのチェーンに首を吊られたんだと思うんだ」
俺はやっと言えた。
「ところで、そのゴールドスカルって何だ?」
「あ、ごめん。ほら彼がしていた金の骸骨だよ」
「あ、あれか? ところであれが何なんだ?」
「だから……、あれがバスのドアに引っ掛かって、彼はバスに引かれたんだと思ったんだ」
「事故の真相はきっとそれだよ。きっとあのチェーンに首を吊られたんだと思う」
俺はやっとそれだけ言った。
俺はさっき、木暮の兄貴の意識をゴールドスカルの中に見た時彼がストーカーではないかと疑った。
でも違うと、今回の事故がそれを物語っていた。
亡くなった二人は売り出し中のロックグループ。
同じボーカル。
共通点は沢山あるようだった。
同じ事務所に所属していたらしいのだ。
でもそれがどう結び付くのかはまだ判らないらしい。
だってあんなに意気込んで待っていたのに、すぐ別のニュースに変わってしまったのだ。
大物歌手ならまだしも、デビュー仕立てパフォーマンスグループに時間を掛けられないようだった。
(――亡くなった二人は同じ事務所だったのか?
――その他共通点は?
――二人ともスキンヘッドになりたてか?)
でも、俺はそれに何かの意図を感じた。
あのゴールドスカルに触れた時の衝動。
みずほのコンパクトが見せてくれたその記憶。
又俺に事件の真相を探れとでも言うのか?
そう……
きっと又、完全犯罪に違いないと思った。
それを不完全にするために、みずほが霊感を授けてくれたのだ。
俺は単純だから、そう思えるのだろうか?
息込んでいたから、物凄く長い時間に感じた。
「待ってました!!」
って思わず言ったら、叔父さんが口元に指を立てた。
それでもこれで真相を知ることが出来ると思い、俺は改めてテレビ画面と向かい合った。
亡くなった男性は、やはりエアーバンド・爆裂お遊戯のリーダーボンドー原っぱこと原田学だった。
昨日まで幼稚園児を彷彿するような刈り上げスタイルだった彼が何故スキンヘッドになったのか?
パネラーがその部分を盛んに論議していた。
そしてもう一つの事件との因果関係も話題に取り上げられようとしていた。
それは、やはりロックグループのボーカルの変死事件のことだった。
木暮敦士(こぐれあつし)。
介護ヘルパーとして勤務しながら、ロックグループに所属していた親友の兄貴は新曲発表のパフォーマンスのためにデパートにいた。
従業員用のエレベーターに乗っていたのは、楽屋として用意されたのが倉庫の一部だったから。
でも何故、出演時間でもないのに其処にいたのかは不明だと言った。
(――へー、みんな彼女へのプレゼント探しだって知らないんだ)
俺は少しだけ得意になっていた。
スキンヘッドの男性は事務所を出た後バスに乗った。
そのバスから降りる時事故が発生したらしい。
前側のドアの隙間に何かが引っ掛かり首を吊られた格好になったようだ。
俺はその時、彼の首に掛かっていたゴールドスカルを思い出した。
「あっ、もしかしたらあのチェーンが原因か?」
そう……
それが事件の真相だったのだ。
「瑞穂、何なんだ?」
「ゴ、ゴールド……」
俺はそう言いながら、あのゴールドスカルのあのペンダントヘッドの中の記憶を思い出して震えていた。
「だから……、ゴールドスカルのペンダントヘッドの付いたチェーンだよ」
それでも俺は力説した。
でも、叔父さんは首を傾げていた。
「きっとあのチェーンに首を吊られたんだと思うんだ」
俺はやっと言えた。
「ところで、そのゴールドスカルって何だ?」
「あ、ごめん。ほら彼がしていた金の骸骨だよ」
「あ、あれか? ところであれが何なんだ?」
「だから……、あれがバスのドアに引っ掛かって、彼はバスに引かれたんだと思ったんだ」
「事故の真相はきっとそれだよ。きっとあのチェーンに首を吊られたんだと思う」
俺はやっとそれだけ言った。
俺はさっき、木暮の兄貴の意識をゴールドスカルの中に見た時彼がストーカーではないかと疑った。
でも違うと、今回の事故がそれを物語っていた。
亡くなった二人は売り出し中のロックグループ。
同じボーカル。
共通点は沢山あるようだった。
同じ事務所に所属していたらしいのだ。
でもそれがどう結び付くのかはまだ判らないらしい。
だってあんなに意気込んで待っていたのに、すぐ別のニュースに変わってしまったのだ。
大物歌手ならまだしも、デビュー仕立てパフォーマンスグループに時間を掛けられないようだった。
(――亡くなった二人は同じ事務所だったのか?
――その他共通点は?
――二人ともスキンヘッドになりたてか?)
でも、俺はそれに何かの意図を感じた。
あのゴールドスカルに触れた時の衝動。
みずほのコンパクトが見せてくれたその記憶。
又俺に事件の真相を探れとでも言うのか?
そう……
きっと又、完全犯罪に違いないと思った。
それを不完全にするために、みずほが霊感を授けてくれたのだ。
俺は単純だから、そう思えるのだろうか?