goldscull・不完全な完全犯罪Ⅲ
まず電池パック上のカバーを外しマイクロSDを取り出そうとした。
でも其処には入っていなかった。
「おいお前、なにやってるんだ?」
木暮が言う。
「マイクロSDがないかと思って」
「そんな場所にはないよ。入り口は確か側面に付いていたかな?」
木暮が答えた。
俺は携帯電話の側面に付いているはずのマイクロSDの挿入口を見せてもらった。
確かに何も無かった。
幾ら指先で強く押してみてもマイクロSDは持ち上がっても来なかった。
その上、本体のカメラにも何も残されてはいなかった。
「でも普通撮るよね?」
俺の質問に木暮は頷いた。
俺はもう一度許可をもらって携帯を触ってみた。
売り出し中のロックグループのボーカルにしては古いタイプのを使用していた。
まずデータBOXを押す。
次にマイピクチャ。
次に上から検索開始。
カメラ。
インターネットモード。
デコメピクチャと来た時ヒットした。
映像が一枚だけ残っていたのだ。
「あ、アルバムか?」
俺は思い出したように言った。
「何だいそりゃ?」
「ホラ大切な写真をしまっておける機能だよ」
俺はそう言いながら、木暮の兄貴の携帯を触り始めた。
「ちょっと実験してみていい?」
俺の言葉に、木暮はしぶしぶ頷いた。
「いい? まず写真を撮って保存する」
俺はそう言いながら、携帯を木暮に向けて撮影した。
「メニューからデータBOX押して、マイピクチャーに合わせて又押す。ホラ、カメラって表示されるだろ?」
「そんなこと知ってるよ」
木暮が俺の説明にケチを付けた。
それでも俺は構わず続けた。
「そのカメラを押す。そうすればさっきの映像だ」
「それも知ってる」
「ちょっと黙って聞いてよ。それでさっきの映像を表示するだろう。その後メニューを押して、移動スラッシュコピーだ。ホラ一番上にアルバムへの移動が出るだろう。これを押すとデコメピクチャーになる」
俺はそう言いながら、画像を移動しますか? の《はい》を押した。
「さあ、画像点検だ」
俺はそう言いながらスイッチを切り、又さっきの順番通りに操作してデコメピクチャーにカーソルを移動させた。
あの女性と兄貴のツーショットの横に、木暮の写真が表示された。
「これが俺が言ったアルバムな意味だよ」
俺はその時、少し得意になっていた。
「そんな御託はいい。早くそのアルバムとかを見せろよ!」
木暮は急に怒り出した。
「あ、ごめん。まだ映像見せてなかったんだ」
俺は頭を掻きながら、携帯の画面を木暮に向けた。
木暮の兄貴はあの女性と笑っていた……。
「へー、この人が兄貴の恋人か?」
木暮が言った。
「知らなかったのか?」
俺の質問に木暮は頷いた。
その時俺はスキンヘッドの男性の携帯にあったマイクロSDの画像を撮り込んでいたことを思い出していた。
自分の携帯でその画像をアップさせた。
二つに画面を見比べる。
やはり女性は同一人物だと思われた。
俺はそれを確認のために木暮にも見せていた。
でも其処には入っていなかった。
「おいお前、なにやってるんだ?」
木暮が言う。
「マイクロSDがないかと思って」
「そんな場所にはないよ。入り口は確か側面に付いていたかな?」
木暮が答えた。
俺は携帯電話の側面に付いているはずのマイクロSDの挿入口を見せてもらった。
確かに何も無かった。
幾ら指先で強く押してみてもマイクロSDは持ち上がっても来なかった。
その上、本体のカメラにも何も残されてはいなかった。
「でも普通撮るよね?」
俺の質問に木暮は頷いた。
俺はもう一度許可をもらって携帯を触ってみた。
売り出し中のロックグループのボーカルにしては古いタイプのを使用していた。
まずデータBOXを押す。
次にマイピクチャ。
次に上から検索開始。
カメラ。
インターネットモード。
デコメピクチャと来た時ヒットした。
映像が一枚だけ残っていたのだ。
「あ、アルバムか?」
俺は思い出したように言った。
「何だいそりゃ?」
「ホラ大切な写真をしまっておける機能だよ」
俺はそう言いながら、木暮の兄貴の携帯を触り始めた。
「ちょっと実験してみていい?」
俺の言葉に、木暮はしぶしぶ頷いた。
「いい? まず写真を撮って保存する」
俺はそう言いながら、携帯を木暮に向けて撮影した。
「メニューからデータBOX押して、マイピクチャーに合わせて又押す。ホラ、カメラって表示されるだろ?」
「そんなこと知ってるよ」
木暮が俺の説明にケチを付けた。
それでも俺は構わず続けた。
「そのカメラを押す。そうすればさっきの映像だ」
「それも知ってる」
「ちょっと黙って聞いてよ。それでさっきの映像を表示するだろう。その後メニューを押して、移動スラッシュコピーだ。ホラ一番上にアルバムへの移動が出るだろう。これを押すとデコメピクチャーになる」
俺はそう言いながら、画像を移動しますか? の《はい》を押した。
「さあ、画像点検だ」
俺はそう言いながらスイッチを切り、又さっきの順番通りに操作してデコメピクチャーにカーソルを移動させた。
あの女性と兄貴のツーショットの横に、木暮の写真が表示された。
「これが俺が言ったアルバムな意味だよ」
俺はその時、少し得意になっていた。
「そんな御託はいい。早くそのアルバムとかを見せろよ!」
木暮は急に怒り出した。
「あ、ごめん。まだ映像見せてなかったんだ」
俺は頭を掻きながら、携帯の画面を木暮に向けた。
木暮の兄貴はあの女性と笑っていた……。
「へー、この人が兄貴の恋人か?」
木暮が言った。
「知らなかったのか?」
俺の質問に木暮は頷いた。
その時俺はスキンヘッドの男性の携帯にあったマイクロSDの画像を撮り込んでいたことを思い出していた。
自分の携帯でその画像をアップさせた。
二つに画面を見比べる。
やはり女性は同一人物だと思われた。
俺はそれを確認のために木暮にも見せていた。