あいのうた



「『何かあった時はナツを頼む』って言った詩に、俺は『わかった』って、約束した」





その言葉の先の日々なんて

微塵も想像していなかったけれど





「詩の分も、俺はあいつの親でなきゃな」





その約束は義務でも重荷でもなく、今日も俺を『父親』として、奮い立たせる。





「ま、そのうちナツが結婚して巣立ったら考えるかな」

「その時には相当オッサンだ」

「…そうだな」



フッと笑う大地につられるように笑う。



いつか、のその日まで

見守るから





「…何男二人で下着屋さんの前で笑ってるの…」

「うぉっ!!ナツ!?」





< 107 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop