あいのうた
大丈夫、大丈夫、と言い聞かせるように言うトラに、ぎゅうと抱きつく私をその手は優しく受け止める。
「…私、こういう仕事向いてないのかな」
「…?」
「楽しいと思えることもあったし、勉強になることもあった…だから高校出たら、こういう仕事に就くのもいいかなって思えてた」
ほんの何日かの間だけでも
気持ちが、揺らぐくらいに
「けどお客さんと上手くいかなかったり、ちゃんと対応出来なかったり…合わないのかな、って」
「…最初から上手く行くことなんてねーよ」
弱音を吐く私をトラは近くの椅子に座らせると、自分も隣へ腰かけた。