あいのうた
『虎太郎、お父さんの店行こうか』
『はぁ?やだよ、あんな店…』
『そんなこと言わないの。ほら』
「初めてまともに入った店の中は親父から想像出来ねーくらい洒落っ気づいててよ、何だこの店って思ったけど」
『いらっしゃいませー』
『……』
「その店の中では客や店員がみんな笑ってて、家では黙ってる親父も楽しそうに飯作ってて」
『おっ、何だ!息子か?』
『チビだが顔は店長そっくりだなー!』
『チビ、お前の父ちゃんは父親としては最低かもしれないけどな、料理人としては世界一だぞ!』
『…?』
『お前の父ちゃんの料理はな、世界一美味いんだ!』
『……』