あいのうた
(これは10番テーブル…)
「お待たせ致しました。イタリアンハンバーグとライスになります」
「ええ、ありがとう」
持って行った先には、一人席につく綺麗な白髪のおばあちゃん。
出かけた帰りなのか、お洒落なワンピースを着ている。
「ごゆっくりどうぞ」
「…、」
いつも通りそっとお皿を置いては去ろうとする、けれど不意にその表情が曇るのが見えた。
(…?どうしたんだろ)
まだグラスに水は入ってたし、ちゃんとナイフとフォークも持って行ってたし…
うーんと考えてはふと気付いたことに、キッチンへと駆ける。