あいのうた
「……」
「……」
ほんの少しの無言。
そんな空気を気にもとめず、ボードに丁寧に文字を書いていく。
(おすすめ、フォンデュバーグセット…と)
強調したい字は太く大きく…さりげなく紹介文も入れて、
「……」
そう黙々と書いていると、不意に目の前にコン…と置かれるカップ。
「?」
湯気と甘い香りのたつ、ホットココア。
それはカウンターの中にいる大地から差し出されたものらしく、夢中になって書いているうちに大地が入れてくれたらしい。