あいのうた
「…、」
「ご、ごめ…」
すぐ離れようとする私に、大地はじっとこちらをこちらを見つめる。その手は、この手を掴んだまま。
「…夏菜、」
「…?」
そして何かを伝えようと口を開きかけた、その時
ーガチャッ
「うわー、すごい雷だったねー。なっちゃん大丈夫ー?」
「!!」
突然戻ってきたハルくんに、私と大地はバッと勢いよく体を離した。
「?どうかした?」
「な、何でもない!」
「……」
いそいそと裏へ雑巾を取りに行く私に、大地は何も言わずカップの破片を拾い集める。