あいのうた



一応一言置いて開けた茶色いドア。
その向こうには、余計な雑貨やぬいぐるみがごちゃごちゃと置かれた女子らしいといえばらしい部屋が広がる。

その部屋のベッドの上、シーツにくるまり眠るのは俺の娘・ナツ。



「おいナツ!起きろ!」

「…ん〜…?私今日休みだもん…トラも休みでしょ〜…もうちょっと寝る」

「休みだから起きろって言ってんだよ!」

「へ…?」



俺の声にナツは寝ぼけながらももぞもぞと起き上がる。

…が、その姿は胸元のばっくりあいたキャミソールにジャージのズボンという今の時期にしては薄着すぎる格好で、父親としてさすがに目のやり場に困る。


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