ひまわりに
夏の香

Episode1『予鈴』

新学期から早2ヶ月、いつの間のにか
めっちゃ暑い時季に突入していた

「おぅ~い!ライさんいるぅ?」

私の名前を『ライ』と省略し、
いつもはつけない『さん』をつける。

「あ~!ナナ!おはよ!」

「オハヨってぇ、
いま何時やおもとるん?
昼や!学食行こか!」

最近はお弁当ではなく、
学食に行くことが多くなった。
それは、
千代子という学食のおばちゃんが作る
オリジナルメニューが
とっても面白いからだ。

「きのぉなぁー、
おもろかったなぁー!
えっと
『バニラーメン』
『ちよこのバーカー』
あと、『素パゲッティ』やろ?
あと・・・。」

「『暗記できないパン』
『麦茶ゼリー』 な・・・。」

「あ!翔!それに陽輝!いたんだ。」

「なぁ、翔?『ちよこのバーカー』
今日もくぅてみるぅ??」

「はぁー?もうカンベン!
肉をチョコにdiveさせんじゃねぇよ」

「今日は『ドラゴンの果実』だろ?
レッツ、トライ!」

「陽輝!?聞いてねぇよ・・・もぉ。」

まぁ、こんな感じで
たのしくやっている。


ところで、
私たちの事を簡単に紹介しよう!
私は低音寺 雷樹!
性格は見ての通り、
これから
知っていってもらえば嬉しいな
幼馴染に
低音寺 涼ってゆう男子がいる。
ココに居ないわけは、また後ほど。
五十嵐 奈々は親友で
訛りの入った話し方が特徴的な女の子
高梨陽輝と芦屋 翔は友人!
この2人の決定的な違いは、
ある意味性格だ。
陽輝の方はちょっとSで、
翔の方は、優しい。
私たちの関係は小学校から続いている
『男女の間に友情は成立しない。』
なんて言うけど。私たちには関係ない

そんな事を考えていたら、
食堂についていた。
あっ!そういえば
陽輝と奈々の関係は怪しい。
妙に仲が良いし、息もピッタリ!
もしかしたら、もしかしたら・・・

「むふ、ぐふふ・・・♡♡」

「ライ、どないしたん?顔キモイで?」

「どーせ、いつもの妄想だろ?」

陽輝と奈々は呆れたような顔をし、
そして顔を見合わせ
不敵に笑った・・・。

「・・・ハル!
ライにその白いの食わせてみぃや!」

「奈々!?私を裏切ったな!?」

翔は苦い顔をしていて、
懸命に水を飲んでいる。
それをみると、
なかなか食べる気になれないが・・・
千代子さんは『ドラゴンの果実』
なんて言って売っているが、
本当は『ドラゴンフルーツ』
というらしい・・・。
見た目がそんなに悪くなく、
白いスイカみたいで・・・好奇心から

ーぱく

「あれ?言うほどまずく・・・
う”!?」

なに!?あとからくる・・・。
味しない!?

「あほやないの?
マジでくうんかいww」

「ちょ・・・リバース・・・。」

「待て待て!気持ちはわかるが
値段は高かったんだ!
吐くんじゃない」

そんなことをしていると。

「ウチもいれてっ♥」

「・・・」←全員沈黙

無理もない。彼女は究極のぶりっ子!
早乙女 百合。
しかも

「いーぃでしょぉ?
か・け・る・くん♥」

翔LOVE・・・・。(ないわぁ)

「よくねっつの!散れ!」

「あは♥照れ屋さんね~♥」

M(マゾ)女・・・・・・。
たち悪いったらもぉ・・・。

「ったく、知るかよ。こんなアマ。」
「せやな」「だな」「いこ」

「・・・翔くん。ひどいよぉ。」

シュン・・・として、
百合が翔の背中に声をかける。
ここで、放っておけば問題ないのだが

「わりぃ、俺。
言い方きつかったかもな。」

翔が優しすぎてキリがない。
そこを、
めんどくさそうに奈々が指摘する。

「翔!そんな女かまってんなや。
いくで?」

「…待てよ。」

プツリ・・・
どこかで、そんな音がした。

「だれが待つかい!アホんだらぁ !
アタシは教室もどる!」

「オレも…。
お前はそこのロリータ女と
イチャついてろ。バカップル!」

陽輝がとどめの一言をさす。
翔は「ウソだろ?」って顔してる、
笑っちゃうww
けど、3人そろって他人のふり。

「ウチら、カップルだって♥
うれしぃなぁ♥」
「う”!」

教室前の廊下で待っていると…
5分くらいで翔が来た。
すんごい怖い顔で、怒ってる。
そんな中、
奈々が言い訳をさがすように
口を開いた。

「しょうがないやろー?
アンタあほやし。
あのぶりっ子と、エエ雰囲気
醸し出しとったから・・・。」

「ぬわにが『エエ雰囲気』だよ!?
ざっけんなテメェ!!」

次鋒、陽輝。

「まあ、翔さん。おちつきなはれ。」

「おんめぇもだよ!『バカップル』
とか 大声で言いやがって!
あの後の千代子さんの
微笑ましい顔っつったらな~も~!」

最終手段!雷樹。

「まぁさ、百合も本気みたいだし。
ちょっとくらい考えてあげたら?
今時あんな一途な子。レアだし。」

あっれ?
私、こんな大人な発言できたんだ!
翔、怒鳴んないし!

「まぁ、雷樹が言うなら・・・。」

翔は、言葉が見つからない
というふうに教室に入っていった。

すると奈々と陽輝が顔をみあわせ
・・・ニヤついた。
え??何?

「なぁライちゃん?どうゆう感じ?」

「ふぇ!?」
何?いきなり誘導尋問体制!?

「あれさー?そう考えてもさ?
翔はさ?」

陽輝まで!
コウユウとこ息ぴったりなんだから!

「かっ・・・翔がなに・・・?」

「うっわ、この鈍感女!」
「教えたるわ!
あれは、どう考えてもさ?」

…嫌な予感。
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