ひまわりに
Episode6『翔の憂鬱』
そうだ・・・
教室に戻ったのはいいけど、
雷樹がいないんだったね。
語り手が神の声ってゆうのは、
信者の少ない日本では
現実味にかけるので
俺がやります。
「翔!もう、ホームルーム。
始まるトコやでぇ?」
奈々が日直で良かった。
別のやつだったらすでに始めてて
教室に入りにくかっただろう。
「あぁ、わり。」
密かに奈々に感謝しながら、
急いで席に着く。
すると、後ろがら
涼が身を乗り出し声をかけてきた。
「ごめん。」
「は?」
何が?と聞く前に、話し始める・・・。
「僕、まだ雷樹ちゃんのこと
・・・わからなくて。」
涼は、
なんと表現すればいいのかわからない。というように、
顔をしかめもどかしいような顔をした。
まるで、それを表す言葉を知らない。
というように、
「どうゆう意味だよ?」
「・・・なんていうか、
雷樹ちゃんの様子が変なのは・・・
なんとなく感じていたのだけれど。
何をしてあげれば良いのか
わからない・・・。
雷樹ちゃんは、
僕なんかを彼氏って
言ってくれるけど。
どう接すればいいのかわからない。
彼女にとって、
僕はどんな存在であれば良いのか
わからなくて・・・そのっ・・・。」
「ー!」
涼が記憶をなくして
困っているのは、感じていたが・・・。
こんなふうに考えていたなんて
思ってなかった。
「しばらくの間、
雷樹ちゃんには残念な思いさせるから ・・・翔くんに頼ってもいいかな?」
「てめぇの頼み・・・断われっかよ。」
記憶をなくしても、
こゆう・・・優しいところ。
慎重で、奥手なところは変わってない。
「ありがと。」
涼は安心したように笑った・・・。
その笑顔は、俺に罪悪感を覚えさせる。
ーオイオイ(゚Д゚)ノ
俺、なにをしてるんダヨ!?
自分の立場、わかんてんのか?
俺、雷樹のことが好きなんですよ?
ただね?雷樹の幸せが
最優先事項なわけでして・・・
付き合いたいとかいう願望は
ないんですわ・・・。
できることなら、
涼の記憶が戻るのを待って。
雷樹と涼は感動の・・・本当の再会!
happy!end!
それを俺は微笑ましく眺める・・・。
っつーのが理想的なわけですよ。
それを何だ!!?
雷樹と涼の中間にたつなんてさ?
無理ですよ。
俺、そんな器用じゃねっつの!
理性が保てるかも、自信ねーし。
こうゆうのって、奈々とか陽輝の
ほうがむいてんじゃね??
はぁ・・・・・・。
俺は、俺なりに
がんばるしかねぇのかな・・・。
でも、さっき
雷樹のこと泣かせたばっかりだし。
誤解されてないってゆう自信もない。
俺の話し方は誤解されやすいって
誰かにもいわれたな・・・・・・。
俺ってほんと、使えねぇ。
なんなんだよ、
記憶をなくした涼に比べたら
付き合いは長いことになるんだろうけど
雷樹にどう接していいかなんて・・・
俺だってわかんねぇよ・・・・。
とりあえず、昼休み。雷樹と話そう。
ーもう、泣かせたりなんか・・・
絶対にしねぇ。