ひまわりに
Episode2『これが全ての始まりだった』
「翔は・・・どう考えてもなぁ、
お前のことがぁ・・・。」
陽輝は持ったいぶりながら、
いやらしくにやける。
すると奈々が陽輝の
代わりに続きをいう。
「好きやと思うんけどなぁ~♪」
「え”ぇぇぇぇぇ~~~!???」
私が思わず大声を出すと、
廊下を通りかかった
いろんな人の視線が私に向く。
奈々と陽輝が恥ずかしそうに
慌てていう。
「声がデカイわ!あほ!」
えっ、え?マジで言ってんの?
この2人!?
奈々の一言に戸惑っていると、
陽輝が呆れたように言った。
「お前さー、マジ鈍感!
にぶすぎ!」
奈々はうなづく。
いっ、いや、でも翔は・・・
私に好きな人がいること。
知ってるはず。
「アタシらがいくらなだめても
ダメやったのに
『雷樹が言うなら。』て、
言うてたやん?
これはもう.・・・決まりやろ!」
「えー?何それ!?
そんなんで決まっちゃうの?」
「だってあいつ、単純じゃん?」
たしかにそうだけど・・・。
「私にはさ・・・知ってるでしょ?
両思いのヒトがいんの。
待ってんの!」
本音だった。本当のコト。
ー涼ー
すると2人は、大きなため息をついて
・・・呆れているのだろう。
「・・・つまんなぁ。」
「アホやん、アンタ。
いつになるかわからんのに・・・!」
ー涼っていうのは、
前も話したけど私の幼馴染で。
付き合っていた。
仲良くて、いつも5人で一緒だった
でも、ある日。
いつものように5人で
学校から帰っていたとき・・・。
事故にあった。
ちゃんと歩道を
歩いていたんだけれど、
飲酒運転の車が突っ込んできて。
車道側にいた涼が・・・
犠牲になった。
幸い、一命を取り留めたものの
記憶を失った。
でも、いつかはきっと思い出す。
私たちは、そう信じることにした。