ROUS ーロウズー
Α
この青い空を手で掴めたら


俺は鷹になってるだろう


俺は芝に寝転んで、手を空に突き上げていた


変わらぬ町並み


ビル同士が互いにブツカリ、押し倒そうとしている


風は暖かい


夏が近付くのがわかる


頬を風が暖めてくれた


俺はあの風に乗りたい


上昇気流で空高く舞い上がり、手を誰にも構わず伸ばしたい


今、ここは俺にとって狭い


何が自由だ


何が平和だ


世界を守りたいとホザイてるわりには


俺たち人間は


殺し

殺され

いがみあい

そして

にくみあってきた


そんな世界は嫌だ









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