王龍~伝説の女総長、再び~


“俺のねぇちゃん”


そう言おうとした要を止め、小声で話した


「要、あたしたちは名字が違う。ゆうちゃんとあたしは藤堂の名をいってるけど、要は違うでしょ?こっちに巻き込みたくないのよ。だから、あたしと姉弟だって秘密にして。それと王龍のことも。お願いよ」


「……姉ちゃん」


「今は姉ちゃんじゃなくて、名前で呼んで」


「…………分かったよ」


口を尖らせ、少しはぶてた声でそう言って、要は皆の前にいって話した。


「ありがと………。ごめんね、要」


あたしは要に聞こえないくらい小さな声でそう言った


「…李乃は俺の一番大切な人」


要……


確かに姉弟って言うなと言ったのはあたし


そしてちょっと嬉しいんだけども


だけど!!!


「そんな言い方したらみんなが誤解するでしょ!!」


「俺、嘘言ってない」


< 107 / 132 >

この作品をシェア

pagetop