王龍~伝説の女総長、再び~
この倉庫に通うようになって初めて見た子だった
銀髪で青いカラコンをしている、まだ幼さの残るその顔には、血が飛び散っていて傷もある
あまりに酷い姿に言葉を失いかけたとき
「なんだ、お前……。何でここに女がいるんだよ」
あからさまに嫌な顔をするその少年に、あたしは懐かしさを感じた
昔のあたしと、同じ顔してる
荒れ狂った、獣のような顔であたしを睨む瞳をあたしは見つめる
「あたしは、藤堂 李乃。わけあってここにいる」
あたしが怖がっていないことに少し驚いたような顔をしたが、それも一瞬のことで