王龍~伝説の女総長、再び~
あたしを威嚇するように睨み続けてくる
助けてあげたい、純粋にそう思った
「あなた、中学生?」
そう質問するけど返事は返ってこない
だめか…
あたしの言葉を無視して引き返す少年
その時、ふと感じた別の懐かしさ
少年の横顔が、あの人に見えた
どこか似ている気がするのは、あたしの見間違いだろうか
そうだ、重ねるべきじゃない。忘れることはできない、消し去ることの許されない過去
「あなた、かわいそう。荒れ狂った惨めな獣にしか見えない。無駄なケンカをしても、心は満たされないんだぜ?」
そんなことを口走ってた
まるで2年前の秋斗
救ってあげたい