王龍~伝説の女総長、再び~


今度はあたしの言葉に反応した少年


「…ああ?俺が惨め?」


「だって、そうじゃん。そんな血まみれな格好して、あたしには惨めにしか見えない。意味のあるケンカ、したことねんだろ?」


ニヤリと笑いそういうあたしは、どこかこの状況を楽しんでるのかもしれない


次第に少年がこちらに向き直り、今にも飛びかかってきそうな勢いでこちらを見ている


ちょっと、やりすぎた?


「名前、聞いてるんだけど。教えてくれねぇの?」


あたしの迫力に負けたように、少しずつ口を開く


「………高野 郁夜…」


「……え?」





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