王龍~伝説の女総長、再び~


「俺は、兄貴が死んだ理由を知らねぇ。あんたなら、わかるとおもったんだ」


そんなの、わかってるに決まってる


知らないわけがない


「教えてくれ…。どうして兄貴は、死んだんだ…」


あたしは一瞬躊躇したが、逃げてばかりではいけない、そう思った


「あの人は、利矢は、あたしをかばって死んだ。あの日、王龍の中に裏切り者がいたことに気づいたあたしは、そいつを呼び出したんだ。あたしが気づいたことに、むこうも気づいてたんだろうな。あたし1人に対して、相手は大人数で、武器まで持ってきやがった。卑怯な手を使う奴らはどんどん増えていってあたしだけじゃ戦えなかった。そんな時、利矢が助けに来てくれた」


あたしは一旦落ち着こうと息を吸い込む


郁夜はあたしの話に静かに耳をかたむけている


その姿に罪悪感を隠しきれなかった


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