王龍~伝説の女総長、再び~
あの事、やっぱり広まってないらしい。
しばらく二人は桜神について熱く語っていた。
もう、勝手にどうぞ。
あたしは放課後が近づくにつれ、要に会えるかも、という緊張が増していた。
要とは、小4まで一緒に暮らしていた。
家柄の関係で、あたしたちには友達というものができず、いつも要はあたしの側にいた。
誰から見ても、仲良し姉弟。
「…り……!李乃!」
突然の声にバッと顔を上げる。