マリア ―暴走族の女神―
大和さんはマリアが立ち去った方向を見つめながら――…


「ああ、そうだ。お前らに言い忘れた事が一つ」


…俺達に命を下す。


「あいつをー…"マリア"をZEROの保護下に置く」


皆、何も発しないが心の中では動揺しているはず。
中には目を見開いたやつもいるからだ。


「前にも話したが…堂島がそろそろ出てくる」


堂島…。

皆の顔付きが変わる。
ゴクリ、と喉をあからさまに鳴らす奴も数人いた。


「ワルキューレ、堂島、そしてあの女…」


今もなお、あの非道な出来事を忘れるはずはない。
いや、忘れることなど出来やしない。


「今度こそ狙いにくるぞ…あの女を」


忘れることなど、ありえない。


「いいか。
"戦場の乙女達"が何を守ろうとしたのか、あの女の存在で分かるだろうが」


固唾を飲んで全員が大和さんを見つめていた。


「楯となれ。失われた乙女達が、死ぬ気で守ろうとした…」


皆の顔が引き締まる。


「…白き乙女を」


"異論は?"


そう付け加えられた後に「うすっ!!!!」と本日二回目の男達の声が鳴り響いた――…。


―――…―――…
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