マリア ―暴走族の女神―

悪夢



"悪夢だ――
これは悪夢――
なんでこうなるの―‥?"

―――・・・・・・・・・・・

今日は少し塾から帰るのが遅かった。
受験前だし、先生にも聞きたい事があったから。

だけど聞きすぎたかも?と少し反省。
だってもう21時を過ぎてしまったから‥。

本当はお兄ちゃんにダメと言われてるけど、公園を通ってショートカットだ!
公園を突っ切れば時短になるし。

お兄ちゃんには21時には帰るように!っていつも耳にタコなぐらい言われているから、帰るのが憂鬱。
ため息まじりに公園を歩いてると、ほらね?
今だって鬼のように、鬼コールだ。

「‥もしもし?」

『今どこにいる?』

「今、塾の帰り道だよ?」

ドキッとした。
公園を通ってるなんて言ったら、怒られちゃうから。


『‥そうじゃない。今どこにいるんだ?』

「‥公園抜けるところ‥」

『は?』

うっ‥怖い‥。

「だから公園抜けるところ‥!!」

『物騒だから通るなっていつも言ってるだろ!遠回りでも人通りのある大通りを歩けって!!』

「ごめんなさ‥」

"ごめんなさい"

そう言いかけて言葉が詰んだ。
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