マリア ―暴走族の女神―

――――‥――‥


「いやーまさか君みたいな子が通りかかってくれるなんてねぇ〜」

視界が涙濡れて誰が喋っているかなんて分からない、分かりたくもない。

今、自分が置かれている状況も分かりたくない。

だけどそれに反して体に触れる男達の手。

抵抗出来ないのを分かっての事か、制服のブラウスをゆっくり外される。

苦痛で仕方なかった‥


"お兄ちゃん助けて‥誰か‥"


明日の私はどうなっているのだろう?
悲しみに満ちているのだろうか?
泣いているのだろうか?


"嫌だ‥嫌だ嫌だ嫌だ!!"


精一杯の抵抗をしても敵うはずもなく。
分かっているけど‥‥


「可愛い抵抗だね〜」

「うっ‥‥」

足をおもいっきり開かされ、声が呻き出た。
ただただ怖い。
怖いよ、お兄ちゃん!!


「静かにしろっ‥誰か来る」


男達の動きが止まった。
確かに足音がする。

(お兄ちゃん‥?)
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