向かいの窓の小さな彼。
中学一年生の後半から
峡は糸電話に出なくなった。


たまにベランダに顔を出しても
少し喋ると部屋にこもってしまう。




それでも私は
糸電話の鈴を鳴らし続けた。







峡が全く反応しなくなったのは

中学二年生の夏。




ベランダにも顔を出してくれなくなった。












嫌われた。




そう思った。





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