向かいの窓の小さな彼。

その日の学校帰りは、桜と、
友哉くんも一緒だった。


「あれっ?友哉くん、寮じゃなかった?」

「せやで!ちょっと時間あるし、買い物でもしよかー思て。駅に向かいます!」

「そっか!あたしも達も駅だよ!電車だし。桜とあたし、同じ中学だったから家近いの。」

「そーなん!ほな一緒やな~!お茶でもしよーや!」

「いいねー!」


学校を出て校門まで行く間、
友哉くんは沢山の女子生徒に声をかけられていた。

友哉くんは、慣れた感じで
その人たちを上手くまいていた。




「なんてゆーか…その…友哉くんってすごいね、桜。」

「うん、ほんとにイケメンって、こーなるんだね(笑)」


私と桜はそんな友哉くんを後ろから眺め
コソコソと喋りながら
あとを着いて行った。


学校から出ると
友哉くんは、やっと私達と肩を並べる事が出来た。


「人気者って大変~!」

「いやぁ、もう…な!俺そんないい奴ちゃうし!ってなるわ(笑)行こ行こ!」


プルルルッ

「あっ、ちょっとごめんね!」


桜の携帯が鳴り、少し私達から離れて行った。



「友哉くん、中学でもあんなだったの?」


友哉くんは少し困った顔をした。



「うーん、俺はそんなに嬉しないけどな。実際に好きな子とかに言われんと意味ないし。」

「そういうもんかなー。キャーキャー言われた事ないからわかんないかも。」

「そら女の子やもん!男にキャーキャー言われたらキモイやん!(笑)」

「そっか(笑)でもさ、あたしもそんなモテてみたいな~!」

「そんないい事ちゃうで~?やし、春ちゃんかわええし、モテるやろ!」

「えぇっ?!///かわいいなんか言われた事…ないし…(笑)」

「いやほんまに!俺、春ちゃんの隣で良かった~思たし!」

「…そーいうこと言うから人気者なんだよ~////」



カーっと顔が赤くなるのが分かった。
桜、早く戻ってきて…(笑)



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