少年探偵 キト
マグカップの氷をひとつ
口に含もうとしていると
足元に気配を感じた。
「おはよう、リン」
キトの黒い愛猫に挨拶をすると
こちらをみて首の鈴を鳴らした。
リンは餌をもらいにくる
野良猫たちの良きリーダーだ。
本当に猫かと思うほど賢い。
ちゃんと人間の言葉がわかるじゃ
ないだろうか、なんて。
「今日は依頼人が
くる日だったろ」
「うん、10時に
来るからもうすぐ」
キトがサンドウィッチを
頬張りながら答えた。
キトはもっぱら、米よりパン派だ
美由紀さんがさっきくれたんだ、
といいながら、キトは
サンドウィッチを俺に手渡す。
残念ながら、俺は朝は
米派なんだけど。