WANTED
あ、棗兄の車だ。
「じゃあ、私迎え来たから行くね。」
「あぁ。」
車は私たちの前で止まり中から棗兄が出てきた。
「しゅ……え、伊吹じゃん!」
「え!?
棗さん!?」
あ、そうか。
福原君は私と棗兄の関係を知らないのか。
「おー、久しぶりだな。
元気にしてたか?」
「はい、おかげさまで。」
……あの福原君が敬語を使ってるよ。
「あれ?
茱良って伊吹と知り合いだったのか?」
「あ、いや、知り合いって言ったら知り合いなのかな……?」
「なんだその曖昧な答え。」
だってね……。