WANTED
良かった。
加奈子さんからで。
私はすぐに加奈子さんに電話をした。
『はい、どちら様ですか?』
あ、加奈子さんだ。
『もしかして、茱良ちゃん?』
「は、い。
お久しぶりです、加奈子さん。」
『良かった、良かった、無事で。』
「すみませんでした。
黙って出て行ってしまって。」
『いいのよ、茱良ちゃんが無事だっただけでも良いんだから。
拓海も心配してたわよ?』
え……?
『茱良ちゃん?』
「あ、すみません。」
『それでね、今こっちに戻って来てるんだけど明日会えないかしら?』
「明日ですか?」
『明後日にはアメリカに戻らないといけなくてね、最後に茱良ちゃんに会って行こうと思って。』
「分かりました。」
『良かったわ。
明日は学校休みやね?
一緒にお昼を食べましょう
チェリーブロッサムホテルに予約いれてるから。』
「分かりました。」