WANTED
朝、私はいつもより早く目が覚めた。
6月。
梅雨時期だ。
「今日雨か……。」
雨の日は好きじゃない。
どうしてもあの悪夢を思い出してしまうから。
ママ……パパ……。
「あ、お嬢、おはようございます。
今日は早いですね。」
「広樹さん、おはようございます。
なんだか目が覚めちゃって。
あ、棗兄は帰って来ましたか?」
「いえ、まだのようです。」
「そうですか……。」
何も起こらなきゃいいけど。