WANTED
怖かった……。
朝からあのスキンヘッドは目に毒だ。
別にスキンヘッドさんを責めているわけじゃない。
いや、この言い方は責めているように聞こえるか。
……いいや。朝から考えるのは私は苦手だ。
早くお風呂に入って学校の準備をしないと。
_____……
お風呂を終えて外に出るとそこには壁に寄りかかる棗兄がいた。
「昨日は運んでくれてありがとう。」
「あぁ、もう、茱良を運んだせいで筋肉痛だよ。」
「なっ!私、そんなに重くないよ!」
……うん。多分。
だってさっき体重計に乗ったら痩せてたもん。
私の言葉に棗兄は鼻で笑った。
「冗談だ。
茱良はもうちょっと食べた方がいい。
ほら、朝食食べに行くぞ。
皆広間で待ってる。」
「あ、うん。」
なんだ、冗談だか。
でも私はもうちょっと痩せた方がいいと思う。
お腹の周りがね、悲惨だから……。
「茱良?」
「あ、今行く。」