WANTED
「お嬢?」
「え?」
「ぼーっとして大丈夫ですか?
そろそろ会計に行きますけど。」
「あ、大丈夫、大丈夫。」
これからは組の人達にも怖がらず普通に接せるように頑張ろう。
「広樹さん、私も持つの手伝いますよ。」
「ありがとうございます。」
こうやって買い物袋の数を見るとすごい量だな。
一体この量は何日分なんだろう?
「茱良、ちゃん?」
名前を呼ばれて振り向けば、
「未奈さん!」
「きゃー!やっぱり茱良ちゃんだ!」
そこにいたのは棗兄の婚約者、未奈さんだった。