WANTED


「うん。なんだかもう怖くなくなっちゃった。」




「そうか。
それは良かった。」




さ、今日も一日頑張ろう。




「じゃあな、茱良。」




「うん。」




いつも通り正門の前でおろしてもらい棗兄がいなくなるまで見送る。

棗兄は"普通逆だろう"とか言っていたけどこれぐらい私もしたい。




よし。




そう思い踵を返した瞬間、




「きゃっ!」




誰かに腕と口を塞がれてしまった。




え!?
な、なに!?




カチャっと音を鳴らし頬に冷たい感触が伝わる。




嘘、これって……




気づいた頃には周りからは悲鳴があがっていた。



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