WANTED
『コンコン』
「失礼するよ。」
現れたのはスーツをビシッと着こなした男の人だった。
「充蔵さん!」
充蔵さん?
「やぁ、棗君。
そして、久しぶりだね、茱良ちゃん。」
「……え?」
知らない。
私、充蔵さんなんて人まったく知らない。
「アハハハ、覚えているわけないか。
君と会ったのはまだ君が小さい時だったからね。」
「……はぁ。」
「改めまして。
こんにちは、深瀬充蔵です(フカセ ジュウゾウ)です。」
ふかせ、じゅうぞう……?
「充蔵さんは瑞希の父親だ。」
父親……?
「………えぇぇぇえええ!!」