WANTED
「だからごめんね。
茱良の前で血を流してしまって。
それに茱良から血まで貰ってしまって。」
「アハハ、大丈夫だよ。
それに、私も乗り越えないといけない事だしね…アハハ、」
「………」
なんだこの重たい空気は。
「そんなに無理して笑わないでよ。」
「え……、」
「俺も一緒に背おっていくから一緒に乗り越えよう、茱良。」
「ふか、せ君……。」
あー、なんだろう。
今までぽっかりと空いてた部分が埋まっていく気がする。
それに、
「茱良。」
彼に名前を呼ばれると今までとは違う温かさを感じる。