彼氏いますか?
「えっ、私ですか?」と思わず聞いてしまった。
だって、全く身に覚えもない異性に話しかけられたら、同性だとしても驚くのは無理ないだろう。
「はい。いきなりなんですけど、彼氏とか、いますか?」
そして、それはあまりにも唐突過ぎる質問だったのだ。
普通、初対面の人に彼氏がいるかなんて、聞かないだろう。
頭の回転が回らなかった私は、「きゅ、急ですね」と苦笑いを浮かべ、素直に「いませんけど…」と答えた。
「なら、俺は無理ですか?」
またもや、この男は何を言っているのだろうか。
この話の展開に、追い付けない私は、まずここがコンビニ内だと言うことを思い出した。
コンビニ内でする話ではないだろうと思い、お菓子は諦め、最初の目的であったドリンクを買うために、「先に買いたいものがあるので、その後でいいですか?」と言って、彼の横を通り、買いたい飲み物が売っている場所へと向かい、ペットボトルを手に取った。