彼氏いますか?

まったく知らない、しかも怪しい人に家を知られたことがまずいことになるかもしれないと。


「ぇ、ええ、まぁ。ここが家です」と、愛想を添えて返すものの、間抜けな返答に呆れてしまう。


「それじゃ…」


そう言って彼は、自転車を再び漕ぎ始め、私も言葉は返さなかったが愛想で返し、帰っていった。


白いブラウスに灰色のベスト。


顔はかっこよくも不細工でもない極々普通であり、一見大人しそう。よく言えば爽やかそうな人が何故あんなことを聞いてきたのか、理解不能すぎる。


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