手錠の女神



 僅かに触れた唇から吐息が漏れ出す



 「冬麻くん今日は何だかいつもと違うわね」


 「そうかな?」


 「何だか違うことばっかり考えてるでしょ?私のこと見ないで」


 「だから寝かせて〜?って言ったじゃない?」


 「そうだったわね…でも今夜は…ね?」


 「…わかりました」


 「ありがと」



 どうやら俺はこの学校にいる限りこの環境から抜け出せないらしい



 今夜は彼女を裏切る形になりそうだ



 しばらく呆けていると下級生から給食を受け取り



 あまり美味しいとも言えない食物を空の胃袋に流し込む



 突然の食物に驚いた胃袋からの逆流に耐え



 歯を磨き就寝した











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