手錠の女神
-小学六年時代-
公園と呼ぶには大きい薄暗い静かな公園
周りは街灯の灯りと家々の灯りで照らされていたが俺の周りはなぜか薄暗い
公園の中の小さなブランコに座っている俺
薄暗い中一人で座る俺を誰かが見たら何て思うか
「ていうか寒い」
空気がとかじゃない
世の中も寒いんだ
「ていうか今日全然人通らないし」
小学生に見られない身長と顔立ち
大抵の人間は俺を高校生か大学生と間違える
「まだガキだっての」
自己嫌悪したくなる大きな手を擦り合わせ息を吹き掛ける
少しだけ暖まるがまだ寒い
帰る家はあるが暖かみがないから帰りたくない
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