手錠の女神



 時刻はもうすぐ午後九時を指そうとしている



 「今日は誰も捕まらないのかな」



 いつもなら誰かしら通るのに…



 寒い空気が俺を更に襲ってくる



 「…今日は帰るしかないのかな…」



 いつもならこの薄暗い公園も誰かしら通るのに



 その内お姉さんが通って声かけてくれてさ



 あわよくばその人の家に上がり込んで一晩過ごすのに



 こんな生活続けて来たからいつの間にか日課になってしまった



 「いい加減やめなきゃなのはわかってるんだけどなぁ」



 「でも…なぁ」



 俺が入れ込める相手はいないし一日限りなら後腐れもないから…



 なんてね












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