手錠の女神



 「じゃあさ」


 「何だ」


 「…お姉さんは買ってくれないの?」


 「誰がお前みたいな小学生のガキ買うかよ」


 「…っ!?今」



 小学生って俺のこと言った



 「お前見た目は確かに大人っぽいけど」


 「けど…?」



 彼女は…俺の目元から手を外しながら未だに忘れられないこの顔をするんだ



 「ちゃんと見れば小学生らしい顔する時があるんだよお前」



 悲しそうに笑ったんだ



 「年…相応ってこと?」


 「そうだよ」



 ねぇ神様…この人なら…大丈夫かな…?



 「…ねぇお姉さん」


 「ん?」


 「お姉さんの…名前…教えて欲しいんだけど」


 「僕の?…まぁいいか…僕は琉依」


 「…琉依さん…俺を一日だけでいいから…」


 「買わねーよ?」











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