【完】結婚からはじまる恋《1》
人の赤い血と建物の瓦礫が辺りを埋め尽くす。



火薬の匂いが俺の鼻腔を掠める。



ガラスの破片のように俺の家族と幸福が一瞬にして粉々に砕けた。



目の前の凄惨さを極める光景。
同じの血の通う人とは思えない所業。悪魔の仕業かと思った。
12歳の俺には衝撃的過ぎて…

暫く、声も出ず…


感情も思考も全て停止した。



日本から俺を迎えに来たじぃちゃんの顔を見て…初めて…人間らしさを戻して、泣き崩れた…








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