【完】結婚からはじまる恋《1》
両親を亡くした時から神様は信じなかったけど。


この時ばかりは神様に祈った。



俺がキスした彼女が深幸の妹ではありませんようにと。


マンスリーマンションとスマホまで与えておいて何言ってるのか…自嘲した。


美愛ちゃんの方からキスしてきたと言え…彼女は16歳の女の子だ。

オトナの俺が悪いーーー・・・


「待ってください…」



深幸はカウンターに置いた携帯を操作して画像を見せた。



「この子が私の妹の美愛です…父親は違いますけど…」



「・・・」





画像の黒髪の美愛ちゃんは深幸によく似ていた。



「私たち…双子に間違えられるくらい似てるんですよ。頼さんはどう思います?」


深幸は俺の心の激しい動揺など露ほどもわからずに無邪気に質問を投げかける。


「俺には…わからない」


俺は携帯を深幸に返した。










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