【完】結婚からはじまる恋《1》
頼さんはモテる、女には困っていない。



「一晩限りの女は実に好都合な女だ」



「・・・」


私は都合良く、扱われてるだけなんだ・・・


「…でも、私には一生の思い出です」



「思い出ね…」



頼さんの声は私を嘲笑っていた。




「お前はまだ…恋で傷ついたコトがないだろっ?」



「はい、私にとって頼さんが初恋の相手ですから…」



「ぷっ」



頼さんは大声で笑い始める。



「遅い初恋だな…お前…幾つだ?」




「21歳です」



「はははっ…」



静かな車内に響く頼さんの笑い。



「お前…見る目ねぇな…今度…恋する時は俺みたいな男を選ぶな」



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